いい大人のこだわり EUROPEAN The True Story Ch.2

【IL MICIO】逸品は時間をかけて。一年待ちの至高の靴。

孤高の日本人靴職人、フィレンツェの街に羽ばたく。

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イタリアに活躍の場を求めた“ジャポネーゼ”。若きシュー・クリエイターに、カズはかつての己を重ねているのかもしれない。
フィレンツェの靴好きに、もはや店名を知らぬ者はいないはずだ。「IL MICIO(イル・ミーチョ)」、“子猫”を意味するその店では、今日も、「イタリアで最も高価な靴」が作られている。孤高の靴職人・深谷秀隆氏の店である。

20代で単身渡航し、フィレンツェやシエナの靴工房を渡り歩いた深谷氏。働きながら言葉を身につけ、30歳になったとき、念願の自分の店をフィレンツェの街にオープンした。2005年のことだ。シンプルにしつらえられた「IL MICIO」の店内。その奥にはすぐ作業場があり、大量の木型が壁にかけられている。もちろんそこには、カズの足をかたどった木型もある。溜め息をさそう美麗なフォルムと、奥深い色味。「IL MICIO」の靴は、今では世界中に顧客を持ち、多くの著名人に愛用されている。

時間をつぎこまなくては決して生まれない味わいがある。

「IL MICIO」での靴づくりは、もちろん深谷氏によるフルハンドメイドだ。イギリスとドイツから素材を取り寄せ、緻密に手縫いされ、入念なフィッティングを経て完成する。客の手元に届くのは、オーダーからおよそ1年後。並の時間のかけ方ではない。が結局のところ、効率ばかりを考えた通常の手法では、生まれる“味わい”もまた通常の域を出ないということだろう。

それは、3倍以上の時間をかけて熟成させるEUROPEAN VINTAGEにもそのまま通じるモノづくりの真理かもしれない。いい素材だけでは実現しない。いい環境だけでも届かない。腕のたつ職人が、時間を惜しまず、技を惜しまず、徹底的に作り込む。いかなジャンルであれ、ヴィンテージの名に値する名品とはそうして生まれてくるのである。


CONTENTS INDEX

  • Ch1. 素材と技の美意識で、紳士服の最高峰へ。
  • Ch2. 逸品は時間をかけて。一年待ちの至高の靴。
  • Ch3. 帽子の”味わい”は、こだわりの果てに。
  • Ch4. 何一つ諦めなかった、”本物”の大人の旨味。
※掲載された写真や画像はイメージです。

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